OEMで役立つニットの基本用語と意味
アパレル業界、ニット製品の製造で多く用いられる語句を分かりやすく解説します。
マツナガニットでは専門の技術と豊富なサンプルで、OEM製品の企画・製造を承っています。こちらに掲載されているほかにも疑問やご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。
ゲージ
ゲージとは、編み機の針の密度を表す単位のことです。1インチ(約2.54cm)の間に、編み針が何本あるかを表しています。例えば、5ゲージのニットとしたら、5本の針が1インチ間にあるということです。
ゲージの単位が小さいほど、編み目がざっくりしていき、単位が大きくなるほど、編み目は細かくなっていきます。ゲージの単位によって同じ素材で作られたニットでも、全く異なる見た目や性能になります。
ローゲージ
ローゲージとは、5ゲージ以下で編んだニットのことです。編み目がざっくりと粗いため、通気性や伸縮性に優れています。また、肌触りは柔らかく、カジュアルな印象が強いニットです。
ミドルゲージ
ミドルゲージとは、7~10ゲージで編んだニットのことです。ローゲージのようなざっくりとした編み目を残しつつ、きめ細かくなったニットです。通気性や伸縮性は程よく、厚すぎず、薄すぎないため、着こなしやすくなっています。
ハイゲージ
ハイゲージとは、12ゲージ以上で編んだニットのことです。綿密に編み込んでいるため、生地のように柔らかく、滑らかな表面と、美しい光沢と艶が特徴です。保湿性も高く、見た目以上に高い性能があります。
また、編み目が見えにくいため、デザインに癖がなく、様々な場面での着回しが出来るのも魅力のひとつです。
編地
編地とは、ループを連続的に綴り合わせて布にしたもので、ニットとも言います。横から編む「よこ編み(緯編)」と、縦から編む「たて編み(経編)」があります。
よこ編み
よこ編みは、1本の糸が横方向にループを作っていき、編地を形成している生地のことです。「三原組織」と呼ばれる基本組織があり、「平編」「ゴム編」「パール編」の3つを指します。
平編
平編は、同じ編み目が横方向に続く編地で、よく用いられる編み方のひとつです。「天竺編み」「メリヤス編み」とも言われます。横方向に伸縮性があり、適度な通気性・耐久性があるという特徴があります。薄く仕上げることができ、使い勝手が非常に良いため、Tシャツ、乳幼児肌着、ベッドシーツなど様々な製品に用いられています。
ゴム編
ゴム編は、縦方向に編組織が連なっている編地で、同じ編み目で表目と裏目を交互に繰り返す編み方です。「フライス編み」「リブ編み」「畦編み(あぜあみ)」とも言われています。横方向への伸縮性が大きいのが特徴のひとつです。また、その伸縮性が着脱しやすさに繋がるため、ニットの袖口や裾、靴下などに用いられることが多いです。
パール編
パール編は、横に編組織が連なっている編地で、1段ごとに表目と裏目が交互に繰り返される編み方です。「ガーター編み」「リンクス」「両頭編み」とも言われています。縦方向への伸縮性に優れており、厚手でしっかりした風合いなのが特徴です。セーター、ドレス、スーツなどに用いられることが多いです。
たて編み
たて編みとは、1本の糸が縦方向にループを作っていき、編地を形成している生地のことです。たて編みによって作られる編地は、カーテンやカーシートなど衣類以外にも活用されています。
たて編みの基本的な編み方として、「デンビー編」「コード編」「アトラス編」の3種類があります。
デンビー編
デンビー編は、隣同士の糸を絡ませながら作る編地のことです。たて編みの中では最も簡単な編み方です。編地が薄く、カーリング(まくれ)が起きやすく、安定性に欠けるため、単独で用いられることはあまりありません。
コード編
コード編は、編み目が隣の糸を飛び越して、二本分先の糸と絡ませながら作る編地のことです。糸足が長く、厚手になる編み方になります。デンビー編と同様に、単独で用いられることはあまりありません。
アトラス編
アトラス編は、編目を斜めにしていき、途中から反対方向に折り返して、ジグザグな編目を作る編地のことです。他同様に単独で用いられることはあまりありません。
リンキング
リンキングとは、横編みニット特有の縫製方法です。布帛(ふはく)では、伸び縮みしない生地と伸び縮みする生地をミシンで縫い合わせます。一方、ニットでは、伸び縮みする生地同士を縫製します。
縫い代(ぬいしろ)がなく、肌あたりが気持ちよく、型崩れしにくく、伸縮性があるという特徴があります。
布帛(ふはく)
布帛(ふはく)とは、縦糸と横糸を交互に織り込んで作る生地のことで、デニムやシャンブレーなどが代表的なアイテムです。一方、1本の糸でループを作って編み込むのが「ニット生地」です。Tシャツやスウェット、プルオーバーなどが代表的なアイテムになります。
縫い代(ぬいしろ)
縫い代とは、2枚の布を縫い合わせる時の、縫い目と裁ち目のあいだの部分のことです。服やバックの縫い合わせた部分の内側にある1cm程度の余白です。
ソーピング
糸染めにおいてのソーピングとは、染色あるいは加工処理後、温度をかけたセッケン溶液などで処理することです。簡単に言うと、洗うことです。加工処理を終えた糸は機械油が残っていたり、ガサガサとした質感があるため、洗うだけでも編上がりの風合いを確認できるようになります。色味の変化はありません。
晒(さらし)
晒(さらし)とは、染色前の下処理のことです。糸から不純物を取り除き、漂白剤で白くします。