ニット製品のお手入れの仕方
秋頃から大活躍するニット。ニットを長持ちさせるためにも日頃のお手入れや洗い方について知っておきたいものです。
今回は、ニットの日頃のお手入れの仕方や洗濯機や手洗いでの洗い方などについて詳しく紹介します。
ニットの日頃のお手入れついて
まずは、ニットの日頃のお手入れの仕方についてです。ニットはデリケートな素材で作られており、着用するたびに洗濯をすると痛みの原因になります。
しかし、着ていると汚れは蓄積されますので、着用後のケアが大切です。次の5つのポイントを意識して日頃からケアを行うと、ニットを長く着用していただくことができます。
着用後はブラシをかける
デリケートな素材であるニットには、生地を痛めにくい馬毛の洋服ブラシがおすすめです。
馬毛ブラシを用いて、ニットに付いている汚れを払うことで、絡まりかけている繊維をほぐし、毛玉が出来にくくします。ブラッシングをする際は、編地の地の目に沿って、優しくブラッシングするのがコツです。強く押し付けてこするようにブラッシングすると痛みの原因になるので、注意しましょう。たたき拭きをする
襟元や脇の部分は汗や皮脂汚れが付きやすく、黄ばみや黒ずみができる原因になります。いつもより汗をかいた日や、長く着用した日などは汚れが多く付着しているので、硬く絞ったタオルでたたき拭きをし、汗や皮脂汚れを取りましょう。
たたき拭きした箇所の水気や、着ている間に含まれた湿気を取るためにハンガーで吊るしておきましょう。ハンガーを掛けたまま収納すると、ニットが伸びたり型崩れをするため、湿気が取れたり、たたき拭きした箇所が乾いたら、畳んで収納しておきましょう。スプレーで消臭
汗をそのままにしておくと、シミや臭いの原因になるため、脱いだら消臭スプレーをしましょう。
スプレーし過ぎるとスプレーの液体自体がシミの原因になるため、できるだけ離れた位置から1~2回程度吹きかけるようにしましょう。毛玉はこまめに取る
毛玉が出来た場合、その都度こまめに取り除くようにしてください。
眉毛バサミや糸切りバサミのような小さなハサミで、毛玉部分を取り除きましょう。シミが付いたらすぐに「シミ抜き」
ニットにシミを発見したら、すぐにシミ抜きを行ってください。汚れた直後や果汁やスープなどの水に溶けやすい汚れについては、中性洗剤を水に適量溶かし、汚れた箇所を優しくつまみ洗いするか、汚れが奥までいった場合は歯ブラシでトントンと叩いて汚れを浮かし、すすぎ洗いをしましょう。
インクや泥汚れなどの水に溶けない汚れや、時間が経ったシミなどはご自宅では完全に汚れを落とすことはできません。汚れを無理やり落そうとして、ゴシゴシ洗うとニットが伸びたり、型崩れするため、お近くのクリーニング店に相談するのがおすすめです。
洗濯機でのニットの洗濯の仕方
染み込んだ汗の臭いや外気の臭い、汗などを取り除くためにも、着用シーズン中に、1~2回は洗濯機や手洗いでの洗濯をおすすめします。
ここでは、ご家庭の洗濯機を使う場合のニットの洗濯の仕方について紹介します。
洗濯前に洗濯表示を確認する
ご自宅でニットを洗濯するときには、最初に洗濯表示を確認してください。ニット製品ごとに洗濯表示は異なるため、必ず確認しましょう。「洗濯不可」のマークがある製品に関しては、クリーニングに出してください。
手洗いマークがついている場合は、次項の「手洗いでのニットの洗濯の仕方」をご覧ください。
※製品によってはクリーニング不可のニットもあります。ニットに合った中性洗剤を用意する
いわゆる「おしゃれ着用の洗剤」を用意してください。おしゃれ着用の洗剤は縮み・型崩れ・色褪せ・シワなどを防止する効果のある成分が含まれています。
できる限り衣類をやさしく洗うことに特化したものなので、ニットのようなデリケートな素材でできている洋服におすすめの洗剤です。汚れている部分には前処理を行う
袖口や襟などに気になる汚れがある場合は、おしゃれ着用洗剤の原液を直接塗布します。軽くたたいてなじませておくと汚れが落ちやすくなります。
洗濯ネットに入れて洗濯機へ入れる
ニットを畳んで洗濯ネットに入れて洗濯すると、型崩れ防止に繋がります。ただし、あまり大きすぎる洗濯ネットを選ぶと、中で広がって型崩れの原因になります。ニットを畳んだ状態で洗濯ネットに入れたときに、少し小さくピッタリくらいの洗濯ネットを選ぶのがおすすめです。
洗濯コースは手洗い・ソフトコースを
選択するニットによっては標準コースで洗える製品もあります。しかし、ニットのような伸縮性のある製品は、型崩れが起きやすいため、手洗い・ソフトコースなどの洗濯コースを選びましょう。
洗濯機のメーカーによって表記は異なりますが、「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」などのコースを選んでください。脱水は60秒程度で済ませる
脱水までしてくれるコースの場合、脱水時間が60秒程度であればそのまま使用しても問題ありません。もし脱水時間が長かったり、脱水機能自体が無い場合は、軽く絞ってからバスタオルの上に置き、水分をバスタオルに吸わせましょう。
「平干し」をする
最後に干すのですが、ハンガーに長時間吊るすと型崩れの原因になるため、平干しがおすすめです。お風呂の蓋や平干し専用のアイテムなどを活用して、平干しをしてください。また、出来る限り風通しの良い日陰に干してください。日当たりの良い場所で干すと、色褪せの原因になります。
室内で干す場合は、テーブルの上にバスタオルを敷いて、その上で乾かしても問題ありません。表面が乾いたら、ひっくり返して裏面も乾かすようにしましょう。
手洗いでのニットの洗濯の仕方
洗濯表示を確認すると、洗濯機はNGですが、手洗いはOKということもあります。ここでは、手洗いでのニットの洗濯の仕方について紹介します。
汚れている部分には前処理を行う
袖口や襟など汚れやすいところには、おしゃれ着用洗剤の原液を直接塗布し、軽くたたいてなじませておく処理をしておきましょう。
洗剤液にニットを入れて優しく「押し洗い」
洗濯桶や洗濯ボウルに30度以下の水とおしゃれ着用洗剤を入れて、ニットをゆっくりと沈めていき、優しく押し洗いをしてください。こすったり、揉んだりすると痛みの原因になるので、上から優しく押すのがポイントです。
すすぎ洗いを数回繰り返す
洗濯桶や洗濯ボウルに新しい水を入れて、押し洗いの要領ですすぎ洗いをします。すすぎ洗いは2~3回を目安にすると良いでしょう。最後のすすぎ洗いの際に柔軟剤を入れて、軽く押すと、ふんわり仕上がり、消臭できるので、おすすめです。
軽く絞って脱水して、平干しをする
洗濯機で60秒程脱水するか、軽く絞ってバスタオルでニットの水分を吸わせましょう。その後は平干しを行います。平干しの方法は「洗濯機でのニットの洗濯の仕方」と同じで問題ありません。
衣替え時の注意点
ニットをしまう季節が来たら、衣替えの前にクリーニングに出すことをおすすめします。
日頃のケアやご自宅での洗濯を行っても、ニットに汚れが残っている場合があります。汚れを残したまま次のシーズンまでしまっておくと、虫食いやシミによる変色の原因になるので、クリーニングでしっかり汚れを落としておきましょう。
お手入れに関するよくあるお悩みと解決策
ニットのお手入れに関するよくあるお悩みとその解決策について紹介しております。ぜひご覧ください。
- 生地が伸び縮みしてしまった
- 伸びた部分に関しては、伸びた箇所に水を軽くスプレーして濡らし、ドライヤーで乾かしましょう。
もしくはスチームアイロンで編地を寄せたり、握ったりして縮めても大丈夫です。
- 袖や首元が伸びてしまう
- 袖や首元が伸びてしまう原因は、ハンガーに掛けっぱなしで、重力で少しずつ伸びてしまうことが多いです。
伸びてしまった場合は、スチームアイロンを当てながら、伸びた部分を編地に寄せて縮めていくと良いでしょう。
- 毛羽立ちや毛玉ができてしまった
- 毛羽立ちや毛玉が出来てしまったら、眉毛バサミや糸切りバサミのような小さなハサミで、毛羽立ちや毛玉部分を取り除きましょう。
範囲が広い場合は、T字のカミソリで表面をなでるように取り除くのも良いでしょう。
ニット製品のお手入れの仕方まとめ
ニットは日頃のお手入れや正しい洗濯の仕方を知っていれば、型崩れや汚れや臭いが付いてしまうことを防止し、長く使用することができます。
また、衣替えの際にはクリーニングで綺麗に汚れを落とし、虫食いや変色を防いで、次のシーズンも綺麗に着られるようにしておきましょう。
日頃のケアやご自宅でのお洗濯など、正しいお手入れで、お気に入りのニットを長く大切に着続けていただければ幸いです。