TOPICSコラム

環境負荷の低減で再注目される「ホールガーメントニット」

皆さんは、ホールガーメントという名称をご存じでしょうか?
ユニクロが2018年9月に販売開始した「3Dニット」は、ホールガーメントの技術が使用されています。また、ヴィトン、グッチといったハイブランドでも採用されているため、聞いたことがある方も多いかもしれません。

ホールガーメントニットは、従来のニット製品と比べ、着心地の良さやシルエットの美しさが取り上げられることが多いですが、実は環境問題へのアプローチとしても非常に注目されています。
そこで今回は、ホールガーメントの基礎知識や特徴についてまとめてみました。

ホールガーメントニットの特徴

ホールガーメントニットには、次の3つの特徴があります。

  • 時間ロス・カットロスの削減

    時間ロス・カットロスの削減

    パーツの縫製やリンキングなどの工程が減少し、工程間の時間ロスが無くなるため、早く仕上がります。
    また、従来の製法では生地をカットして縫い合わせる際に約25%の端切れが出ていましたが、ホールガーメントニットはカットする必要がないため、端切れの量が各段に削減されます。

  • 快適な着心地

    快適な着心地

    ホールガーメントニットは、編地が一体化しており、縫い目の無いニットです。そのため、縫い代によるごろつきがなくなり、肌なじみが良くフィット感に優れているニットと言われています。

  • オンデマンド生産が可能

    オンデマンド生産が可能

    必要な製品を必要な数量だけ生産する「オンデマンド・ニッティング」が可能となります。また、ホールガーメントによる生産はプログラム情報に基づいて作られるため、製品の一貫性を保ち、過去に生産した製品をリピートすることが可能です

ホールガーメントが注目されている理由

アパレルの環境問題

アパレル産業による環境負荷が世界的な問題として取り上げられており、大量生産大量消費で拡大してきたこの業界は、いま岐路に立たされています。そのため、ホールガーメントの技術はその課題解決の糸口となると期待されているのです。 しかし、コストが従来ニット製品に比べ割高になる、設備導入のハードルが高いなどの理由で、ホールガーメント製の衣類は全体1%にも達していないという現状があります。
今後、ホールガーメントのようなロスが少なく、必要数の生産ができる技術が生産の主流となることが、環境負荷を抑えることに繋がっていくと考えられています。

まとめ

環境負荷低減に向けて

今回はホールガーメントについてまとめました。
ホールガーメントは従来の製造方法と比べ、製造時間ロスや生地カットロスの削減など多くのメリットがあります。環境負荷を抑えられる方法として、世界中からも注目を集めており、今後はよりサスティナブルな生産方法として選択されていくのではないかと考えられます。
弊社では、ホールガーメントの技術を用いたニットの製造が可能です。ホールガーメントにご興味がありましたら、ぜひお問い合わせいただけますと幸いです。